こんにちは,きー坊です。
前回の記事は読んでいただけたでしょうか?
この記事は前後編の後編となっておりますので,まだ読んでいないという方はぜひ前編からご覧ください!
この前後編では,初心者の方にオススメな3Dプリンターを,組み立て済みのタイプ(OOTB)と自分で組み立てるタイプに分けてそれぞれ2種類ずつご紹介しております。
どちらが良いというものではなく,3Dプリンターを購入する目的に合わせて選択していただくことが最善かと思われます。
それぞれのメリットとデメリットについては前回の記事で述べていますので,ご参考にしていただければ幸いです。
それでは早速,でオススメの機種紹介の続きをはじめていきたいと思います。
組み立て式でおすすめの3Dプリンター2選!
ここでは,バラバラのパーツで届いたものを自分でいちから組み上げていく3Dプリンターを2つご紹介します。
まず,ほとんどの組み立て式3Dプリンターに共通することとして,いちから機械を組み立てるといっても回路やモータに関する専門的な知識を持ってる必要はありません。
プラモデルや家具のように,説明書に沿って組み上げていけば完成するようにできています。
もちろん,モータや加熱機器を扱うので一部配線が必要な箇所はありますが,番号ラベルが振られているなど,分かりやすい工夫がなされているモデルが多いのでご心配は要りません。
また,ハンダ付けなどの作業も求められておらず,基本的に使用する工具類は同封されていますので,届いたらすぐに組み立てを開始することができます。
まずは,一つ目の3Dプリンターから見ていきましょう。
Original Prusa i3 MK3S+
このOriginal Prusa i3 MK3S+は,日本ではあまり聞き馴染みがないかもしれませんが,海外で大人気の機種です。
まず目に付いてしまうのはおよそ10万円という価格かもしれません。それもそのはずで,前編でご紹介した,組み立て済みの3Dプリンターはどちらも6万円程度で買えるものでした。
それを基準にすると,組み立て式で労力が増えるのに値段も高いというマイナスの印象を受けてしまうかも知れません。しかし,性能面で非常に優れているため,納得の価格設定とも言えます。
実際,Original Prusa i3 シリーズは過去に海外サイトの3Dプリンターランキングで1位にも選出されていたほど人気・実力ともに文句のない機種となっています。
ちなみに,Original Prusa i3 MK3S+は組み立て済みのモデルも販売されていますが,こちらはAmazonで15万円という価格設定になっております。
そもそもこのOriginal Prusa i3 MK3S+という3Dプリンターは部品に3Dプリントされたパーツを使用しており,材料費は安く抑えられています。その上でこの価格設定は,モータやコントロールボード,プリントヘッドといった機能面にコストが割かれていると考えることができます。
Original Prusa i3 MK3S+ の性能
それでは,Original Prusa i3 MK3S+の具体的な性能についても触れていきます。
造形可能な容量が大きい
オープン式ということもあり,筐体の重さ・サイズに対して造形できるモデルが大きいという特徴があります。
250mm×210mm×210mm
というサイズで印刷が可能となっており,前編でご紹介したi-matesとほとんど同じ造形範囲を持ちながら本体重量はおよそ半分ほどしかありません。
使用可能なフィラメントが幅広い
この点がOriginal Prusa i3 MK3S+の一番の特徴とも言えるかもしれません。
現在FDM式の3Dプリンタ用に開発されている材料は,ほとんど全て印刷することができます。
具体的に挙げると,PLA,PETG,ASA,ABS,PC,CPE,PVA,HIPS, PP,弾性フィラメント, Nylon, Carbon filled, Woodfill などなど…。
これほどまでの幅広さを実現している要因は主に以下の3つです。
・エクストルーダーの最大加熱温度が非常に高い
Original Prusa i3 MK3S+ではエクストルーダーの最大加熱温度が300℃に設定されております。
前編でご紹介した機種を例にとるとFLASHFORGEの”Adventurer3″では240℃,QIDI TECHの”i-mates”では250℃です。
ここから,300℃という最大温度がかなり優れていることが分かると思います。
・ダイレクトドライブ方式
フィラメントの送り出しにダイレクトドライブ方式を採用しています。対になるのはボーデン式と呼ばれるもので,ここでは詳細な説明を省きますが,一般的にダイレクトドライブ方式の方が印刷できる材料の幅が広くなります。
例えば,Adventurer3はボーデン式であるために弾性素材に対応しておりません。
・ノズルの互換性が高い
3Dプリンタのノズルにも規格が存在し,どの規格を採用しているか次第で,様々な種類に取り替え可能かどうかが決まります。
その他の性能
多くなりすぎるの簡略化してしまいますが,欲しい機能は大抵備わっています。
・オートレベリング機能
・印刷中にフィラメントを使い切った際,自動で検出して停止する機能
・停電などで途中で動作が停止しても続きから造形できる機能
・Z軸方向精度が最小0.05mmに対応
など
Original Prusa i3 MK3S+まとめ
3Dプリンターの構造を詳しく知るために組み立てに興味があり,それでいて最初の1台でほとんどのことができてしまうという3Dプリンターを求めており,なおかつ少し金銭的に余裕がある方にオススメです。
参考:Prusa 3D 公式サイト
Creality “Ender-3 V2”
続いてご紹介するEnder-3 V2という機種は,その価格設定から入門機としても人気を集める3Dプリンターです。
このEnder-3 V2という3Dプリンターの一番の特徴を挙げるとすれば,コスパ重視という点でしょう。
こちらも世界中に広く普及している機種で,インターネットやYouTubeで検索していただくと分かりますが,非常に多くのレビューや組み立て方法,メンテナンス方法,そして改造の事例が出てきます。
ユーザーが多いということは,それだけ知識と経験の蓄積があり,Q&Aが充実していると言えます。
ここまでご紹介してきた3機種に比べると目立った特徴がありませんが,やはりそこそこの性能を持つ3Dプリンターが3万円強で変えてしまうということ自体が特筆すべき点です。
一方で,弱点を挙げるとすれば機構的な安定性が少し低いということでしょうか。
綺麗に組み上げられればそのまましばらく使うことができますが,組み立ての時点でガタつきが生じてしまうとなかなかソフトの方で修正することが難しくなります。
そのため,綺麗な造形を実現するために根気強く調整をし直すことが必要になる場合もあります。
しかし捉え方を変え,試行錯誤して色々なプリントを実験するための実験機として考えれば,値段が高くないにも関わらずプリントの安定性自体は高いので,3Dプリンターのことをよく知るために使い倒すことができます。
Ender-3 V2 まとめ
今すぐ具体的に作りたいものがあるというよりは,色々なものを実験的にプリントしながら,3Dプリンターの性質やメンテナンス方法,改造方法などについて学んでいきたい人にオススメできます。
また,少し金銭的,場所的に余裕があるという方は後継機種のEnder-6の購入も検討してみると良いかもしれません。
改造の自由度は減ってしまいますが,標準で3Dプリンター全体を覆うアクリルカバーが付属されており,ABS等の素材を印刷する際には庫内の温度を保ちやすくなります。
値段が倍近くなってしまいますので,「どのように3Dプリンターを使いたいか」という用途の面とお財布事情を考慮して選択していただければ良いと思います。
初心者におすすめの3Dプリンター まとめ
かなり長くなってしまいましたが,ここまでお疲れ様でした。前編・後編と両方とも読んでいただいた方,誠にありがとうございます。
初めての3Dプリンターを購入するにあたり,興味はあるけどどの機種が人気があるのか分からない,何を基準にすれば良いか分からない,という方も少なくなかったと思います。
今回の記事が少しでもそのように迷われている方々のご参考になれば幸いです。
ご質問等あれば可能な限りでお答えしますので,お気軽にコメントなど残してください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
コメント